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湘泳会員の活躍（インタビュー他）

67回原田さん

第4回目は、三井住友銀行の実業団水泳部のキャプテンとしてご活躍中の67回原田さんへのインタビューです。

（インタビュアー）原田さんは実業団やマスターズでご活躍されてらっしゃるわけですが、実業団自体についてなじみのない方のために、実業団水泳について概要を簡単に教えてくださいますか？マスターズとの違いについても教えてください。
（原田）簡単に言うと、実業団は会社単位で参加するサラリーマンのための大会です。地方大会、全国大会とあって、全国大会ではそれこそ大学生の大会のように全国色んな所に行って泳ぎます。目的は泳ぐことだけでなく、その土地の名物を楽しんだりと、ちょっとした小旅行も兼ねていたりします。男子は30歳未満、30歳以上、40歳以上、50歳以上、女子は年齢無差別で競技が行われ、日本選手権に出てくるような人や、30歳以上ではかつてのオリンピック選手なども出てきます。参加するためには参加標準記録がありそのタイムを切る必要はありますが、水泳部に在籍していた人なら切ることができるようなタイムだと思います。それに対して、マスターズは自分が出たい種目を泳ぎきることが出来れば基本的にはタイムは関係なく参加できる大会です。レースも25ｍからあって、飛込みが怖い人は水中からスタートが出来たりと、水泳のレースを楽しんでもらうことが一番の目的ではないかと思います。マスターズの大会に行くと非常に高齢の方が、元気よく泳がれていてとても刺激になります。

（イ）なるほど。実業団のほうが、大学の部活動の延長に近いみたいですね。ところで、原田さんは、大学卒業後数年間、競泳活動をやめてらっしゃったそうですね。再開されたきっかけ、動機はなんだったのでしょうか？
（原田）競技に戻ったきっかけは非常に不純ではあるんですが、大学の先輩がマスターズのチームを作った時期と、彼女に振られた時期が重なったんですね。で、休みの日やることないからまら泳ごうかと。あの時ふられてなかったらどうなってたんでしょうか？（苦笑）

（イ）ある意味振ってくれた彼女に感謝というところでしょうか？（笑）再開したときに、7年間のブランクは気にならなかったですか？
（原田）復帰第一戦はこんなにも体が重いものかと思いましたよ。さすがにこれはやばいと。その後結構頑張って泳ぎこみましたね。さっきもお話したように何しろ休みの日暇ですから、ゴールデンウィークは一人合宿と称して、スポーツクラブで一人で二部練やってました。周りの人は相当迷惑だったでしょうね。ある程度までは戻るんですが、そこからがしんどい。今はその壁と格闘している状況です。レーザーレーサーでも着て壁破っちゃおうかな（笑）。

（イ）実業団やマスターズで活動されていて、一番大変なことはなんでしょうか？
（原田）練習時間を捻出することと、体のケアです。平日働いていますから、平日は泳げても１時間くらい。しかも翌日仕事があるわけですから、そんなにきつい練習は出来ません。そうなると週末に泳ぐしかないんですが、普段あまり泳がない状況では当然きつい練習が出来ない。そこで無理をすると簡単に故障します。なので、泳ぐ前のストレッチや念入りなクールダウン、個人的には体調を見ながら鍼を打ったりすることもあります。あとは若い頃より当然ですが回復が遅い。そこをサプリメントとかで必死に補おうとするんですが効果があるのかないのか。騙し騙しやっている感じです。

（イ）高校時代と違う喜びは？また、共通することは？
（原田）水泳を長く続けていると知り合いがとても増えます。大人になってから水泳を始めてまだ25ｍしか泳げない人もいれば、オリンピックに出た人となぜか飲み友達になったりと、不思議な縁でどんどんと知り合いが増えていくのが一番の魅力ではないかと思います。高校時代と共通することは、やはりスイマーなのでタイムに一喜一憂することと、チームのために頑張ろうという気になることでしょうか。社会人になると「社会人ベスト」というどう考えても逃げているとしか思えないフレーズをよく耳にしますが、私は、やはり「生涯ベスト｣を更新することを目標に取り組んでいますので、その辺り高校のころとは変わっていないと思います。リレーを昔からやっていて、今でも運よくリレーメンバーだからと言うのもあるかもしれませんがチームに対する思いいれは今も昔もこれからも人一倍強いと思っています。

（イ）さすがは実業団のキャプテン、自己に厳しく取り組まれてらっしゃるのですね。自分が高校生だったころは、体力的に高校生時代がピークなのではないか、などと言っていたこともあったのですが、30歳を超えても、生涯ベストを出したり狙えたりする、ということは励みになりますね。64回の臼井さんなども、高校時代より速いタイムで泳いでらっしゃるといいますし。このインタビュー記事で実業団やマスターズに興味をもたれた現役生や会員のみなさんへアドバイスを一言お願いします。
（原田）個人的には実業団、マスターズにかかわらず、水泳を楽しんでほしいと思っています。その結果気づいたら実業団に出ていた、マスターズに出ていたというのが私の理想です。ある意味趣味の世界だと思っているので、強制ではなく、なんとなく自発的にやってほしいなという気はします。　水泳ってタイムだけじゃなくて、泳いでるだけでも本当に気持ちのいいスポーツだと思っているので、プールから離れてしまっている皆さんには月1回でもいいからプールに入ってほしいと本当に思います。

（イ）最後に抱負を一言。
（原田）ベストタイムの更新と、見てる人が感動できるレースをしたいと思っています。どっちもハードル高いですけど・・・

（イ）ありがとうございました。今後の益々のご活躍をお祈りしています。