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このコーナーの栄えある第1回目は、箏・三絃・十七絃・二十絃演奏家として活躍中の64回高畠 さんへのインタビュー記事です。
(インタビュアー) 以下(イ) まずは、月並みな質問ですが、湘南高校での一番の思い出は何ですか?
(高畠さん) 以下(高)
やはりプールサイドです。映像的な記憶もなぜかプールサイドばかり。楽しかった場所、よく居た場所、と考えてみてもプールサイドです。お恥ずかしながらプールの中に居た時間はほとんどない私ですが、良い仲間と過ごした3年間は色濃く記憶に刻まれています。部活動が終わった後も夕暮れまで皆と過ごしたあの場所と時間はとても心地良いものでした。
(イ) 今一番力をいれている活動は何ですか?
(高) 毎年開催しているリサイタルです。自分の思い通りの企画、演出、演奏を披露することができるのが私らの言う「リサイタル」でして、その時々のテーマによる選曲とプログラム構成を熟考して、いかに自分なり表現していくか、それによって箏という楽器と自分の可能性をどこまでも追求していくか、というところに特に醍醐味を感じています。
(イ) なるほど。各地で招待されて演奏されている演奏活動とはまた違った思い入れをお持ちなのですね。ところで、演奏家になって一番良かったと思う瞬間はどんな時でしょうか?
(高) 一番を決めるのは難しいですね。まず、私の演奏を聴いたことで、少しでも心に何かが響いたり残るものがあった、気持ちや生活に張りがでた、または私の教授活動によってモチベーションがあがった、演奏の奥行きがより広まったなど、お話やお手紙を頂けた時にはとても嬉しい気持ちになります。また、小学校の授業もよく行うのですが、そこでは箏を知らない人口の多さに多少がっかりしながらも、子ども達の真剣な眼差しと純粋な反応に元気をもらっています。それと、様々な芸術やアーティストに触れる多くの機会に恵まれているということもまた、自分の世界がより広まっていってとても楽しく良い刺激を得られて、演奏家になって良かったなと実感できることのひとつですね。
(イ) 湘泳会のみなさんへ一言お願いします。
(高) いつも総会のご案内をありがとうございます。なかなか日程が合わず、随分とご無沙汰しております。泳ぐことは今でも良い気分転換となっています。またみなさまにお会いできることを楽しみにしております。
(イ) 現役生へのメッセージも是非。
(高) 私は演奏家として日本の伝統文化に携わっているお陰で、湘南高校在学中には全く想像してもいなかった程、国内外を問わず世界が広がりました。皆さんはこの先進学し、海外へ羽ばたく方も多くいらっしゃることでしょう。私は恥ずかしながら最近になって理解しはじめたことがあります。各国にはそれぞれ文化や習慣などがあり、相手を知るにはまずご自分を、そして自国を大切にして、その上で共に共を良く把握する力が大切なのだということです。遅まきながらもこのことに気づけたのは、良き仲間との出逢いがあったからこそです。高校時代の水泳部の仲間、大学の同期、他様々な方面の方の助言無くしては、狭い世界しか見ることはできなかったことでしょう。みなさんもどうぞ人との出逢いを大切に、そして様々なチャンスを生かして、幅広い視野を身につけていってください。
(イ) ありがとうございました。これからの益々のご活躍を期待しています。
文責・インタビュアー 64回恒吉