59回 福井さん

第3回目は、著作権問題などをご専門に、弁護士として活躍中の59回福井さんのご紹介です。弁護士としてのお仕事の傍ら、ご専門分野における著作執筆、講演、大学での講義など精力的に活躍されています。また、マスターズ等各種試合に出場されるなど、水泳活動も継続していらっしゃいます。

インタビュアー　以下（イ）
早速ですが、高校時代の水泳部での一番の思い出は何ですか？
福井さん 以下(福)
合宿で同期や先輩後輩としたいろいろな話が印象に残っています。練習で疲れ果てたあと、「ここまで馬鹿らしい話はもう一生できないだろう」という程どうでもいい話を合宿所の二階でしているだけなのですが、なぜか笑いが止まらない。いまだに鮮明に覚えている話がいくつもありますが、ちょっとここでは話せません（笑）。花火や肝試しもトラブル続出で楽しかったし、日常の何でもない出来事も全部懐かしいです。

(イ)　著作権に関する著作の執筆、講演など多数されておりますが、お仕事の内容を湘泳会員の方々に簡単にご紹介いただけますか？
(福)　「「エンタテインメント・ロイヤー」ともいいますが、映画や舞台や出版などのジャンルの契約交渉とか、紛争の解決を専門にする弁護士をしております。 たとえば、日本のマンガを原作にしてハリウッドで映画化する場合に、出版社や漫画家の代理人として条件を交渉したり、逆に海外のオペラ座やミュージカルが来日公演するときに、100人ものカンパニーが来日する訳ですが、その契約を交渉したりします。 盗作論争の裁判もやりますし、そうしたトラブルを予防するために「この映画のこのシーンは大丈夫か」なんて企画段階で一緒に考えたりもします。

(イ)　そのようなお仕事を始めたきっかけは何だったのでしょう？
(福)　もともと大学時代から芝居をやっておりまして、司法試験に受かってからも続けていたくらいだったので、同じ弁護士でも芸術文化にかかわる仕事をしたかったからです。

(イ)　今、力を入れられている活動はどのようなことですか？
(福)　本来の業務のほか、今、東京藝大と東大でそれぞれ著作権の授業を持っていて、これが楽しいですね。人前で話をするのは好きなんです。話をしていると自分の考えがまとまって来るし、趣味半分で楽しんでやっています。 著作権はネット時代に入ってにわかに注目度が上がって、新聞やＴＶをにぎわすケースが急増しています。著作権というと堅苦しいルールを連想する方が多いでしょうが、本来は決してそうではなくて、創作の営みとか文化の本質に触れるようなおもしろい問題がたくさん出て来ます。それで、坂本龍一さんや劇作家の平田オリザさんなど、多彩な方々を発起人にフォーラム（http://thinkcopyright.org）を立ち上げました。一昨年から、著作権と文化の関係を考えるシンポジウムなんかを開催しています。これも好きでやっているのですが、全国ニュースでとり上げられたり、特集番組を作って頂いたり、思った以上に反響がありました。

(イ)今後の抱負はいかがでしょうか？
(福)　芸術文化活動は自分でやるのもおもしろいですが、読者として、観客として触れても素晴らしい作品がたくさんあります。国際交渉なんて言うと華やかそうですが、実際には泥の中をはいずるような裏方の仕事です。それでも、自分がお手伝いして、本当に傑作だと思えるような作品が生まれたときの喜びはひとしおです。そんな豊かな芸術文化と、それへの人々のアクセスが高まる一助になることが、柄でもないですが抱負になるでしょうか。

(イ)　水泳活動を今でも続けておられるとお聞きしました。
(福)　今でも週２回は泳いでいて、大会にも時折出ています。もっとも私の場合、現役時代には興味の赴くままに好きな方に行ってしまう性格がたたって、練習を休む回数が仲間達よりすこーしだけ多かったので、一生かけてその不足分を取り戻しているだけとも言えます（笑）。今、１年生の秋くらいまで取り戻したところです。

(イ) 現役生や他の湘泳会員へのメッセージがありましたらお願いします。
(福)　 湘泳会の総会には昨年も含め、よく参加させて頂いております。今後も総会や藤沢市民大会などの湘泳会のイベントやマスターズの大会に参加させて頂こうと思っております。皆様とプールサイドでお会い出来るのを楽しみにしております。

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